【ぶれい考】越境学習が疎まれる理由/石山 恒貴
2021.05.27
【労働新聞】
近年、越境学習という考え方が注目されている。筆者は越境学習を「個人にとってのホームとアウェイの間にある境界を越えて学習すること」と定義している。
ホームとは、個人にとって居心地がよく、社内用語で分かりあえるよく知った仲間がいるが、刺激のない場所である。一方、アウェイとは、個人にとって居心地が悪く、社内用語が通じない見知らぬ人たちがいるが、刺激のある場所である。このようなホームとアウェイを行き来すると、ホームにおいて疑うこともない当たり前の前提を見直すことができる。つまり、会社の外に学びに行き、新しい知識や視点を獲得するといった効果もあるのだ。
ところが、越境学習者は迫害されることが珍しくない。会社の中では、新しい知識や視点が歓迎されないのだ。なぜそんなことが起きてしまうのだろうか。…
筆者:法政大学大学院 政策創造研究科 教授 石山 恒貴
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令和3年6月7日第3307号4面 掲載