【努力義務化!70歳までの就業確保 新しい高齢者雇用】第21回 障害者と共に働く職場づくり 高齢者を指導役に 職場への定着率が向上/藤村 博之
“同時雇用”は利点が多い
今年3月1日から障害者の法定雇用率が引き上げられ、民間企業は2.3%以上となった。これにより、43.5人以上の従業員を抱える企業は、1人以上の障害者を雇用することが求められている。今回は、高齢者と障害者が一緒に働くことによって、双方に良い効果をもたらすことを紹介する。
2009年度から10年度にかけて、(独)高齢・障害者支援機構(当時)の中に「高齢者と障害者がともに働きやすい職場」推進に関する調査研究会が設置され、筆者はその座長を務めた。高齢者と障害者が協力することで成果を上げている企業を8社取材し、報告書をまとめた。そのときから10年が経過したが、そこで議論されたことと企業事例は、現在でも十分に役に立つと考えられる。障害者の法定雇用率が引き上げられた時期だからこそ、高齢者と障害者の協力・共働の可能性について考えてみたい。
高齢化する日本社会が住みやすい社会であり続けるには、社会を構成する各人がその能力に応じて、様ざまな役割を担うことが必要である。高齢になったから働けないとか、障害を持っているから支える側にはなれないという固定観念にとらわれるのではなく、社会の一員としての自覚を持ち、できることを地道に実行していくことが求められている。
前述の委員会では、高齢者と障害者が一緒に働いている職場を調査し、両者の協力・補完関係の可能性を検討した。その結果、…
筆者:法政大学大学院 イノベーション・ マネジメント研究科 教授 藤村 博之
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