【裁判例が語る安全衛生最新事情】第126回 協和エンタープライズ事件 過労による交通事故死と安全配慮義務 東京地裁平成18年4月26日判決

2011.04.01 【安全スタッフ】
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Ⅰ 事件の概要

 被告Y1と被告Y2は自動車運送取扱業を行う同一グループの会社であり、代表取締役は被告Y3であって共通しており、本社事務所も同一であった。被告Y4は、被告Y1社の運行管理者であり、被告Y2社の常務取締役である。

 亡Aは大型貨物自動車業の運転手であり、原告Xは亡Aの父親である。

 亡Aは、当初Y2会社に雇用されていたが、その後、Y1社に移籍していた。

 亡Aは、長時間労働のために過労状態となり(平成12年8月1日から事故前日の同年9月12日までの総労働時間が約339時間、時間外労働が約101時間であった)、注意力散漫、緊張低下状態に至り、平成12年9月13日に、大型貨物自動車を運転して走行中、相手方のトレーラーに追突して死亡した。

 原告Xは、亡Aを過労状態にして運行をさせて死亡させたとして、被告Y1社、Y2社、両社の代表取締役Y3、Y1社の運行管理者でありY2社の常務取締役であるY4に対して、安全配慮義務違反または不法行為として、損害賠償請求事件を提起した。

Ⅱ 判決の要旨

1、被告Y1社と被告Y2社との関係

 Y1社とY2社は、受注する業務において振り分けがなされていた。亡Aは、Y2社に入社したものの、…

執筆:弁護士 外井 浩志

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平成23年4月1日第2135号 掲載
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