【多角的に考える両立支援の実践――改正育介法対応】第2回 男性の育休・産休① 人材確保対策に有効 新人75%が取得を望む/小寺 美帆

2021.07.01 【労働新聞】
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希望者の半数は“断念”

 男性社員からの出産報告が、「新たに家族が加わり、より一層仕事に精進してまいります」から、「子供が生まれました。すでに男性版産休中ですが、引続き育休を取得させていただきます」と様変わりするかもしれない。

 厚労省の「雇用均等基本調査(令和元年度)」によれば、育休取得者の割合は女性が83.0%であるのに対し、男性は7.5%だった。取得期間も、女性は9割近くが6カ月以上である一方、男性は8割が1カ月未満に留まる。「男のくせに育休なんてもってのほか、男で育休を取りたい人なんかいない」という感覚の企業も未だ多いのではないか。

 しかし実は、男性新入社員のうち74.2%が、子供が生まれたときには育休を取得したいと回答している(日本生産性本部「2018年度新入社員春の意識調査」)。出産・育児のために何らかの休暇・休業の取得を希望していた男性正社員で、育休制度の利用を希望していたが、利用しなかった割合は約4割となっており(三菱UFJリサーチ&コンサルティング「仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書=2018年度)、希望者の約半数が育休の取得を断念している。今後、子育て世代に入る男性社員の意識は大きく変わってきており、育休取得希望が高まっていることが分かる。

 今年6月3日、育児・介護休業法の改正法が成立した。昨年5月に閣議決定された「少子化社会対策大綱」で、男性の育休取得や育児参画を促進するための取組みを総合的に推進することとされ、労働政策審議会において「男性の育児休業取得促進」の建議がなされ、男性育休推進にスポットを当てた改正がなされたものである(別表)。…

筆者:大江橋法律事務所 弁護士 小寺 美帆

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令和3年7月12日第3312号6面 掲載
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