【産業カウンセリングの現場から】第17回 「つなぐ」仕組みが奏功
全員、復職することが
私は小売業(以下A社)の保健師&産業カウンセラーとして従事し、メンタルヘルス対策を構築してきました。5年間で30人弱のメンタルヘルス不調者の職場復帰(以下、復職)を支援し、全員が復職することができました。この経過をお伝えしたいと思います。A社の復職までの流れを大まかに示します。
① メンタルヘルス不調者の気づき(本人、上司、同僚、人事労務からの情報が入る)
② 本人と面談(面談を続けて経過を見てもいいか、専門家につなげるか)
③ 精神科受診(できるだけ初診に同行し、会社の休職期間や給与など本人が使える制度を主治医に説明)
④ 休職中の面談(主治医の許可のもと、外来受診の時を利用して、病院内の待合室で会い、2週間の状況を教えていただき、会社の情報を提供するなどのやり取り)
⑤ ポイントで本人・主治医と三者面談(本人に許可を得たうえで人事に情報提供)
⑥ 復職前の段階的面談(面談場所を徐々に職場に近づける、面談人数を徐々に多くするなど段階的に面談の負荷を行う)
⑦ 復職の決定と短時間勤務の設定(本人、産業医、私で勤務表を作成し、人事や上司に相談)
⑧ 復職日にはできるだけビルの1階で出社をお迎えし、人事まで同行する
⑨ 復職後は定期的に面談(1週間に1度程度定期的に面談。上司との面談も実施)
⑩ 最高6カ月かけて、休職前の勤務状態に戻す…
執筆:高知産業保健推進センター 基幹相談員 槇本 宏子
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