【産業カウンセリングの現場から】第18回 目指せ“竹やぶ社会”
リストラ経験しスキル培う
私はITメーカーの製造関係の工場で労働組合の専従役員を16年ほど担当し、1990年代から始まる事業構造改革の対応を行ってきました。製造部門で働く多くの方々の処遇を見直して現在の工場の中で働く場を確保してきました。働く人にとっては厳しい処遇になるこの施策が展開されている期間、私は労働組合の責任者として毎日のように繰り返して行われる社員との面接に対応するなかで、カウンセリングの能力が必要と実感し、産業カウンセリングを学び、リストラ対象になる社員の意向確認を丁寧に行ってきました。
さらにカウンセリングの勉強を重ねる中で自分自身のモチベーション対策を行うことができましたし、電機業界の労働組合で構成する電機連合が行う「キャリア開発」の取組みも併せて行い、本体の会社に残った社員のモチベーション向上のために「キャリアデザイン研修」を会社人事部の了解のもと労働組合が主導して行ってきました。この研修のテーマは「会社が潰れても生きられる人になろう」として、自分自身を振り返り、今後のライフキャリアをしっかりと作るもので、この研修がきっかけになり、結婚を決めた方や自発的に会社を退職して別の道を歩んだ方もいらっしゃいました。
事業構造改革がひと段落した2006年に、労働組合役員を退任し退職も考えました。本社からの要請もあり本社人事部でキャリアカウンセリングを行う職場を作って社員との面接をしてきましたが、リーマンショックの影響があり人事部でも「人数を削減したい」との方針が出され2009年には自分自身も早期退職の道を選びました。…
執筆:㈱ラポール企画 代表取締役 システムカウンセラー 大小原 利信
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