【特別寄稿】現場間の連絡調整課題に 「掛け持ち」で管理不十分な実態が 東日本大震災から1年 復旧復興工事の安全確保へ
2012.05.01
【安全スタッフ】
東日本大震災の発生から1年。被災地では急ピッチでの復旧・復興工事が続いているが、十分な工期が得られないことから必要な安全対策がとられていなかったり、現場の掛け持ちで連絡が疎かになるなどの問題が浮かび上がっているという。また、建材に含まれる石綿や除染作業の健康管理など課題は山積みだ。そうした現地の状況と行政の対応などについて、宮城労働局の落合淳一局長に寄稿いただいた。作業責任者が一つひとつの現場を巡視し、計画に基づいた作業が実施されているかを確認するなど、「基本的な安全管理体制を徹底すること」が求められるとしている。
墜・転落が災害の4割占める
昨年3月11日に発生した東日本大震災では、宮城県の多くの方が犠牲になられ、産業や県民の方の生活にも大きな被害をもたらしました。震災から1年が経過した今、宮城県では「1日も早い復旧・復興を」という願いの下、県内の建設事業者のほか全国から建設関連企業などによる、膨大な数の復旧・復興工事(がれきの処理や損壊家屋の解体、河川堤防や道路の復旧など)が着工しています。
震災からの復旧・復興は、こうした工事の円滑な施工にかかっているといえますが、その一方で、労働災害の増加が懸念される状況となっています。…
執筆:宮城労働局長 落合 淳一
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平成24年5月1日第2161号 掲載