【イラストで学ぶリスクアセスメント】第28回 わく組足場からの墜落防止
2012.05.15
【安全スタッフ】
今回はわく組足場の昇降設備を取り上げます。労働安全衛生規則第526条には、「高さ又は深さが1.5mをこえる箇所で作業を行うときは、労働者が安全に昇降するための設備等を設けなければならない」とありますが、安全に昇降するための設備とは、墜落・転落の危険性が低いものを最優先に考えましょう。
横幅の狭い仮設足場の昇降設備として傾斜角20度以下の傾斜路は難しいので、階段とはしごについて考えてみます。仮設足場の1スパンと各層は、ほぼ1.8mなので、階段枠の傾斜角はほぼ45度、足場に設置のはしごは垂直です。
作業者が手すりを昇って墜落
工場の壁面の補修工事のため、わく組足場をL型に設置しました。このわく組足場は、横幅91cm・高さ170cmの鳥居型建わくで、縦方向4層となっており、最上層の作業床の高さは約5.4mです。横幅が狭いので昇降設備としてわく組足場の両端にはしごを設置しています。
しかし、作業者は両端部に設置したはしごが遠い場所にあるので、鳥居型建わくの横さんとコーナー手すりを利用し、昇っていたところ、足が滑って4m下のコンクリート床面に墜落しました。
この墜落災害の主たる要因は、次のようなことが考えられます。…
執筆:中央労働災害防止協会 関東安全衛生サービスセンター 安全管理士 中野 洋一
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平成24年5月15日第2162号 掲載