【パンデミック、大災害に対処 BCP策定講座】第6回 事業継続戦略とは① “代替”を強く意識 拠点・人材・設備などで/丸谷 浩明
2021.08.05
【労働新聞】
人材の安全確保も
(1)事業継続戦略とは
これまでの連載で、BCPにおいてはまず、危機事象により被害を受けたら優先的に継続すべき「重要業務」を選定、その重要業務をいつまでに復旧すべきかの「目標復旧時間」とその時点でどの程度の操業度を確保するかの「目標復旧レベル」を設定することを説明してきた。そして、目標復旧時間と目標復旧レベルの達成のため、企業がとるべき戦略、つまり対策の大きな方向性が「事業継続戦略」である。
事業継続戦略を検討する基本的な視点は、重要業務の実施に不可欠なリソース(要素・資源)のうち、危機事象の被害により確保が困難となるものを考え、なかでも一番確保が遅くなりそうなボトルネックとなるものをいかに確保するかである。不可欠なリソースのすべてが揃わなければ重要業務は復旧できない。最後まで確保が遅れて復旧の足を引っ張るリソースについて対策をとり、より早期に確保できるようにする。
それだけではなく、…
筆者:東北大学災害科学国際研究所 副研究所長・教授
NPO法人事業継続推進機構 理事長 丸谷 浩明
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和3年8月9日第3316号11面 掲載