【現場ゼロ災のための安全文化考】第11回 参加型の作業手順書
2012.06.01
【安全スタッフ】
作業順序を思いつくままに
労働災害の原因の第一に挙げられるのは、作業手順の誤り。従って作業手順書が安全作業のために欠かすことのできないものだとは、多くの人が知っています。「誰もが手順書に従って作業を行えば間違いのない仕事ができる」この目的で作業手順書は作成されています。作業から「ムリ・ムダ・ムラ」を排除して、「安全で、能率良く、出来映えの良い」を盛り込んでいます。とはいっても残念なことに、職長さんで作業手順書を作れる人はホンの一握りです。職長教育で作業手順書の作成方法を学んでも、職長になる間に忘れてしまうのか、あるいは職長が作成する仕組みになっていないのか、どちらにせよ作業手順書を作成できる人にめったにお目にかかりません。
そんな場合、会社で作成することが多いと聞きます。しかし会社で作られた手順書は、間違いはありませんが作業する人にとってやりやすい手順書でしょうか?人間誰しも、目的・目標が遂げられるのであれば「早く、楽に」を求めるエネルギー保存の本能が働きます。自分たちでは作業手順書が作れない、しかし他の人が作った作業手順書には馴染めない。結果、手順の無視が起こります。会社で作業手順書を作ろうとしたら、少なくとも職長を参加させてみたらいかがでしょうか?…
執筆:中込労務安全事務所 建設業労働災害防止協会
セーフティ エキスパート 中込 平一郎
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平成24年6月1日第2163号 掲載