【社労士が教える労災認定の境界線】第136回 私用でケガをし、解雇された労働者が1年後に労災申請

2012.09.01 【安全スタッフ】
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災害のあらまし

 A社が経営する居酒屋に勤務する労働者Bは、店内で調理の業務に従事していた。被災当日は、店は空いており閉店時間の午後11時の1時間前には客がほとんどいなかったので、余りそうな食材で自分の夜食を作っていた。

 包丁で食材を切っていたところ、誤って自分の左手人差し指を切ってしまった。出血がひどく、救急で医者にかかり5針縫ったが、労災になるか不安だったため、健康保険で受診した。以前にも同じようなことがあったが業務外とされたので、会社には今後も健康保険で受診すると報告した。

 連絡を受けたA社は、本人が申請しないということで、詳細を調査する必要があることは認識していたが、そのままにした。Bはその後、ケガのため欠勤を続けた。A社はBが普段から遅刻が多かったこともあり、勤務成績不良でBを解雇した。

 1年ほどたったところ、BからA社に連絡があり、左手人差し指の屈伸ができなくなったので、労災保険の障害補償給付の請求手続きをしたい、と言ってきた。…

執筆:一般社団法人SRアップ21 埼玉会
荒祐子労務事務所 所長 荒 祐子

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平成24年9月1日第2169号 掲載
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