【社労士が教える労災認定の境界線】第116回 結婚式場駐車場の芝稙で土袋を運搬中、ぎっくり腰に

2011.11.01 【安全スタッフ】
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災害のあらまし

 結婚式場を営むA社は、大人婚をテーマにブライダルをトータルプロデュースしている。フラワーショップを併設する同社にとって、美しく咲き誇る花々に囲まれた別荘ウエディングは、同社の最大の“売り”でもあり、女性たちの憧れの的でもある。

 さて、同社のパートタイマーCさんは、同僚DさんとA社自慢の別荘敷地内の駐車場の芝稙を行った。頑張り屋のCさんは、取り除いた土を袋に詰め、別荘建物の裏まで2時間かけて1人で何往復も運んだ。作業中次第に腰がだるく重くなり、その後腰が痛くなった。痛みはさらにひどくなり、整形外科を受診。診断結果は、急性腰痛症、俗にいうぎっくり腰であった。

判断

 芝稙作業は、会社の指示による業務運営上必要な作業で、業務の遂行として行われたものであり業務遂行性が認められること、また事故ではないが、腰部の負傷を生ぜしめたと考えられる通常の動作と異なる動作による腰部に対する急激な力の作用が業務遂行中に突発的な出来事として生じたと明らかに認められるとして、相当因果関係が認められた。以上により業務上

解説

 労災と認められるには、「業務起因性」が認められなければならない。「業務起因性」とは、…

執筆:中小企業福祉事業団幹事 社会保険労務士法人人的資源研究所
特定社会保険労務士 小川 知子

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平成23年11月1日第2149号 掲載
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