【裁判例が語る安全衛生最新事情】第141回 西日本石炭じん肺事件 粉じん職歴がある場合の損害賠償 福岡地裁平成19年8月1日判決
2011.11.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
原告らは、被告Y1社の経営していた7つの炭鉱で粉じん作業に従事していた労働者217人の本人X1ら、または、その遺族らである。被告Y社は福岡県や長崎県に炭鉱を経営していたものである。
炭鉱労働者X1らは、炭鉱で粉じん作業に従事してじん肺に罹患したとして損害を受け、それは被告Y社の安全配慮義務違反に基づくものであり、また、被告国が鉱山保安法に基づき保安規制権限の行使を怠ったとして国家賠償法違法であるとして、被告Y社と被告国に対して、損害賠償請求訴訟を提起した。本稿では被告Y社の関係について紹介する。
Ⅱ 判決の要旨
1、被告Y社の安全配慮義務違反
Y社は、他の炭鉱経営会社と同様、…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成23年11月15日第2150号 掲載