【裁判例が語る安全衛生最新事情】第143回 株式会社ハヤシ事件 損益相殺についての判断 福岡地裁平成19年10月24日判決
2011.12.15
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
原告X1は被災者亡Aの妻、原告X2ないしX4らは被災者亡Aの子供らである。
被告Y社は、産業用ロボット製作などを目的とする株式会社であり、亡Aは、工場製造部部長であり、Y社では代表取締役、工場長に次ぐ3番目の地位にあった。
平成16年1月当時、家電メーカーの新設ラインの入れ替えのため、正月の間に製品を作り替えるという特需が入ったために、亡Aは元旦しか休めず、2日、3日、4日と出勤し修理や整理の仕事をしたが、同年2月19日に工場においてクモ膜下出血で倒れて死亡した(死亡当時43歳)。労働基準監督署長は、亡Aの発症を業務災害として、遺族補償年金、葬祭料の支給を決定した。
原告X1らは、安全配慮義務違反を理由として、被告Y社に対して損害賠償請求訴訟を提起した。…
執筆:弁護士 外井 浩志
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平成23年12月15日第2152号 掲載