【社労士が教える労災認定の境界線】第140回 赴任先の宿舎の階段から転落し外傷性気胸、肋骨多発骨折
2012.11.01
【安全スタッフ】
災害のあらまし
N社は大手企業のエレベータ据付工事業の専門下請業者である。首都圏には会社が借り上げた1戸建て宿泊施設(寮)を拠点に、単身赴任であるSが勤務している。普段の連絡は携帯電話で、会社からの指揮命令の下、据付作業を行っている。
災害発生当日は、安全大会に出席後に帰宅、寮の近くに置いてあるコンテナボックス(エレベータ用機械器具収納)に明日の段取りをするため、作業着に着替えて建物内の階段を、スリッパを履いて降りるときに誤って足を滑らせ、背中を強打した。その日はそのまま仕事をせずに様子を見ていたが、翌日痛くて仕事ができず病院を受診、外傷性気胸、肋骨多発骨折と診断された。
判断
仕事の段取りに向かう際の、寮内の階段からの転落事故であり、作業に伴う必要行為または合理的行為中であり、アルコール飲用など規律違反行為、業務逸脱行為もなく、労働契約に定められた内容を行うための必要不可欠な行為である。従って業務起因性ありとして業務上と判断。…
執筆:一般社団法人SRアップ21 北海道会
サッポロ労務行政事務所 所長 和田 繁彦
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平成24年11月1日第2173号 掲載