【ぶれい考】ハラスメントに一般法を/野川 忍
2021.09.02
【労働新聞】
職場のハラスメントが一般に問題化したのは、1980年代である。アメリカにおけるセクシュアルハラスメント問題の報道を嚆矢として、日本でもこれに対する理解と対応が一挙に進んだ。
90年代以降はセクハラ訴訟も頻繁にみられるようになって行政の取組みを促すこととなり、97年の男女雇用機会均等法改正において初めて、セクハラ防止のためのルールが実定法上明記されることとなったのである。
その後、ハラスメントという概念は多様な行為を対象とするようになり、パワハラ、マタハラなどに続いて最近では急速にカスタマーハラスメント(カスハラ)がクローズアップされるに至っている。…
筆者:明治大学専門職大学院 法務研究科 専任教授 野川 忍
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令和3年9月6日第3319号5面 掲載