【多角的に考える両立支援の実践――改正育介法対応】第9回 不利益取扱いの回避 「取得」が理由はダメ ”ノーペイ原則”で判断を/加守田 枝里
2021.09.02
【労働新聞】
不就労日超えてはNG
育児休業などの制度利用者の処遇を低くしてはならないのか。「育休を取得していた従業員の賞与を減額してはいけないか?」などの相談を受けることがある。育介法上禁止されている制度利用を理由とする不利益取扱いに当たるのではないかと悩まれる点であろう。
しかし、制度利用中の処遇を低くすることが必ずしも不利益取扱いに当たるわけではない。誤った認識に基づく制度設計により経営に過度な負担を与え、制度を利用していない者が不満を持ったり、制度利用者がプレッシャーを感じたりすると、かえって制度利用は進まない。経営状況や周囲への負担が、制度利用者へのハラスメントにつながるおそれもある。
育休などの申出や取得を理由として、減給したり賞与などにおいて不利益な算定を行うことは、…
筆者:野口&パートナーズ法律事務所 弁護士 加守田 枝里
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令和3年9月6日第3319号6面 掲載