【変異株?ワクチン?最新!企業の新型コロナ対策】第10回 復職のタイミング 勤務に耐えられるか 保健所の指示期待できず/東川 麻子
2021.09.09
【労働新聞】
隔離は発症から10日
前回は、濃厚接触者の特定や自宅待機指示について説明したが、今回は新型コロナウイルス感染者(以後、感染者)および濃厚接触者となった従業員の復職のタイミングについて解説する。
こちらも保健所の指示に従えば良いと考えている企業担当者が多いが、1例ごとに細かい指示を出してもらえるわけではなく、産業医である私のもとには復帰のタイミングに関する相談が多く寄せられる。
まずは、感染者の勤務再開について説明したい。
保健所は、発症日から10日経過すれば、周囲に感染させる可能性が低くなるとして、療養期間終了としている。しかし、これはあくまで周囲へ感染させるリスクがある期間が終了したというものであり、勤務再開に耐え得る体調であるというわけではない。新型コロナウイルス感染に伴う自覚症状が全くない場合でも、10日という長い期間の隔離生活を行えば、人によっては著しく体力の低下を認め、行動制限が解除されても、近所に買い物に出かける程度で強い疲労感を感じ、仕事を再開することに不安を覚えるケースもある。
また、ホテル療養や自宅療養で経過を見る場合、医療職のチェックは重症化の有無の確認に留まり、一般的な治療や症状改善に関する相談にならないケースが多いため、…
筆者:㈱OHコンシェルジュ 代表取締役 産業医 東川 麻子
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和3年9月13日第3320号13面 掲載