【イラストで学ぶ身近なリスクと対策】第19回 不適正なハッカー使用での災害
1.はじめに
10月1日~7日は「第72回:全国労働衛生週間(厚労省)」。今回のスローガンは、「向き合おう! こころとからだの 健康管理」です。いまだコロナ禍が終息しないので、引き続き基本的な『3つの密』〔①密閉空間(換気の悪い空間)、②密集空間(多くの人が密集)、③密接空間(手を伸ばすと届く距離での会話や発声)を避けることの徹底が求められています。
この季節、忘れてはならないのは「令和元年東日本台風」です。2019年10月12日、静岡県伊豆半島に上陸し、東日本7県52の河川氾濫により広域に甚大な被害をもたらした。タワーマンションの災害リスクも新たに生じ、冠水で「非常用発電機と飲料水用受水槽が機能しない場所に設置」が浮き彫りになりました。死者105人・負傷者375人、被害総額は1兆8600億円。
2.ハッカーの種類・仕様とつり方
ハッカーの主な種類の仕様とつり方
(1)DL型ハッカー:しぼりづり
※基本使用荷重(厚さmax):1t(40mm)・2t(50mm)・3t(55mm)・5t(75mm)
(2)DD-B型ハッカー:引掛けづり
※基本使用荷重(開口寸法):0.5t(65mm)・1t(95mm)・2t(140mm)・3.2t(170mm)
(3)イーグルハッカー(EH型):しぼりづり
※基本使用荷重(開口寸法):1t(40mm)・2t(50mm)・3t(55mm)・5t(75mm)
(4)LPLW型天びん式ハッカー:引掛けづり
※基本使用荷重(ton/1set・つり重ね厚):1t(80mm)・2t(100mm)・4t(150mm)・6t(200mm)・8t(250mm)・12t(250mm)
〔記〕当ハッカーは「厚板・薄板の重ねつり」に適す。出展:「コンドーテックのカタログ」を要約
3.「不適正なハッカー使用による災害2事例」
【災害1】鋼板がハッカーから滑り落ちて、天井クレーンの運転者に激突(イラストA)
〔作業状況〕30t積みトラックで運搬してきた4枚重ねの鋼板に、玉掛け者は「ハッカーを2本2点つり」で玉掛けを行い、10tつり天井クレーンでクレーン運転士(運転士)はペンダントスイッチで操作を行っていた。…
執筆:中野労働安全コンサルタント事務所 所長 中災防安全衛生エキスパート 中野 洋一
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