【裁判例で読み解く!!企業の安全配慮義務】第4回 労働時間把握との関係 過失有無の判断に影響 タイムカードなどが原則/家永 勲
2021.10.21
【労働新聞】
働き方改革で法定化
第1回において、過労死ラインとして、発症直前の1カ月の時間外労働時間数が100時間を超えたときや、発症前2~6カ月の1カ月当たりのそれぞれの平均時間外労働時間数について、いずれかの平均値が80時間を超過するときなどが想定されており、罰則をもって規制されていることに触れた。
ここでいう労働時間について、労働安全衛生法66条の8の3は、「事業者は、第66条の8第1項又は前条第1項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第1項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない」と定め、長時間労働に従事した労働者の健康被害を防止するために、面接指導の実施を義務付けている。面接指導を実施するに当たっては、対象者を特定する必要があり、そのためには「労働時間の状況」を把握しなければならない。
そして、労働安全衛生規則52条の7の3は、…
筆者:弁護士法人ALG&Associates 執行役員・弁護士 家永 勲
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令和3年10月25日第3326号13面 掲載