【人事学望見】第1310回 入社一時金と強制労働 人集めと足留めの一石二鳥狙う
2021.10.28
【労働新聞】
労働基準法の中で最も重い刑罰が科されるのは、どのような法違反かご存じだろうか。労基法5条では、「暴行、脅迫、監禁その他精神または身体の事由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない」と定めている。
拘束の方法にもいろいろ
「強制労働の禁止」と呼ばれる規定で、同法違反に対しては、1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金が科される。
これを読んで、真っ先に頭に浮かぶのは、いわゆる「タコ部屋労働」だろう。なぜタコ部屋と呼ぶのか諸説あるが、「一度入ったら、タコ壺のように抜けられないから」という説明は分かりやすい。
しかし、そうした手荒なタイプばかりが法規制の対象ではない。最近は規制が厳しくなったが、以前は、外国人の技能実習生が「会社にパスポートを預かられて」、逃げ出すに逃げ出せなくなるといった事件もあった。
本欄では、「金銭による拘束」を考えてみよう。3K職場などでは、人集めのために、思い切った優遇策を講じるケースもあるようだ。
典型的な対策として、3種類をご紹介しよう。…
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令和3年11月1日第3327号12面 掲載