【裁判例が語る安全衛生最新事情】第383回 マツヤデンキ事件① 上司による暴行で安全配慮義務違反 大阪地裁平成30年12月14日判決
2021.12.28
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
原告Xは、平成21年8月に、電化製品の販売などを営むY1社に入社した。そしてY1の店舗で、店長Y2の指揮命令下で家電販売や商品管理業務に従事していたが、Y2~Y5らから後述の暴行1~暴行6の暴言・暴行を受けたと主張し、平成25年7月に主治医からうつ病および不眠症との診断を受け、現在まで休職中である。
Xは、平成26年9月に、西脇労働基準監督署長へ、うつ病・不眠症の原因は、Y1社の従業員からの勤務中における暴行が原因であるとして労災申請をし、同労基署長は、暴行による心的外傷後ストレス傷害(PTSD)を認めて療養補償・休業補償の支給決定を下した。
Xは、Y1社に対しては、安全配慮義務違反、店長Y2、他の従業員Y3~Y5に対しては暴行などによる不法行為により損害を受けたとして提訴した。
Ⅱ 判決の要旨
1、本件暴行1(Y4による)について
Xは、平成25年6月23日に、Y4から、脚部および腰部を蹴られ、腕を7、8回殴られたほか、…
執筆:弁護士 外井 浩志
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2022年1月1日第2393号 掲載