【裁判例が語る安全衛生最新事情】第387回 北九州市等事件 石綿で設備会社の予見可能性認める 福岡地裁令和2年9月16日判決

2022.02.25 【安全スタッフ】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

Ⅰ 事件の概要

 亡Aは、ビル管理会社である被告Y2社に雇用された。Y2社は、被告Y1市や公社などから電気設備保守、空調設備保守、給排水設備の保守、防災設備業務などの委託を受ける管理会社であった。亡Aは、Y1市の体育館の現場管理責任者として、入社後すぐの平成2年5月から平成17年まで勤務していた。

 ところが、平成17年に肺がんにり患して肺の一部を切除し、平成25年に細菌性肺炎を原因とするARDS(急性呼吸窮迫症候群)により死亡した。その体育館には、石綿を含有する吹付けロックウール(石綿の含有率は12~14.5%)が吹き付けられており、亡Aはその石綿粉じんにばく露して肺がんになり死亡したものと認定された。

 原告X1は亡Aの妻であり、X2、X3はその子らである。X1らは、Y1市に対しては国賠法1条1項または2条1項に基づき、Y2社に対しては債務不履行責任または不法行為責任により損害賠償請求する旨の訴えを提起した。

Ⅱ 判決の要旨

1 被告Y1市の責任

 国家賠償法2条1項における営造物の設置または管理の瑕疵とは、…

執筆:弁護士 外井 浩志

この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

安全スタッフ電子版へログイン

安全スタッフ電子版は安全スタッフ購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

2022年3月1日第2397号 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。