【高まるリスクに対処!新時代の労働時間管理】第7回 在宅勤務中の“中抜け”時間 事前申請を原則に 理由や時間の報告求める/岸田 鑑彦
2022.02.24
【労働新聞】
業務外行為は許可制で
前回に引き続き、テレワークにおける労働時間管理について取り上げる。在宅勤務において固有の問題として出てくるのが就業時間中の中抜け時間だ。厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(以下「テレワークガイドライン」)では、「中抜け時間については、労働基準法上、使用者は把握することとしても、把握せずに始業及び終業の時刻のみを把握することとしても、いずれでもよい」としている。
しかし、中抜け時間は、単に労働時間管理の問題だけでなく、就業時間中の誠実労働義務の問題にもかかわってくる。したがって、中抜け時間について会社は把握をすべきだ。テレワークガイドラインによれば、把握方法として「一日の終業時に、労働者から報告させることが考えられる」とある。
中抜けの都度、その時間を報告させるのは煩雑であり、終業時にまとめて報告させるという方法は、労働時間管理の観点からは現実的かつ妥当な方法かもしれない。
しかし、誠実労働義務の観点からは、そもそも就業時間中に当該業務外行為(中抜け)が認められるのか、という問題があるため、…
筆者:杜若経営法律事務所 弁護士 岸田 鑑彦
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令和4年2月28日第3342号6面 掲載