【人事学望見】第1324回 出勤停止による賃金不支給 兵糧を断って本人の猛省を促す
2022.02.24
【労働新聞】
不幸中の幸いというか、コロナ禍の後押しもあって、テレワークという働き方の定着に向け、大きな一歩が踏み出された。しかし、管理体制の整備が追い付かないこともあり、在宅中の就労・不就労の線引きがあいまいになっている企業も少なくないことだろう。
出社しない理由いろいろ
同じ不出勤でも、その理由付けによって、処遇には大きな差が出る。
①在宅勤務は、就労の場所が自宅(会社でない)というだけで、基本的には、出社と変わるところがない。
②休職と③欠勤は、ともに従業員側の個人的・家庭的事情による不就労だが、休職は一定の手続きを経て、就労義務が免除されている点が欠勤と異なる。
④自宅待機、⑤自宅謹慎、⑥出勤停止については、人事労務担当者が、その意味を深く考えず、明確に使い分けていない事例も散見される。自宅待機と自宅謹慎はとくに紛らわしいが、自宅謹慎は従業員側に非がある場合に用いられる。出勤停止は、制裁として発令され、賃金も支払われない。
在宅勤務が普及すると、これまでにないトラブルも発生し得る。会社が、テレワーク勤務者に対して、出勤停止命令を出したとしよう。しかし、職務内容によっては、従業員側が自宅で「就労を強行」するといった事態も想定される。たとえば…
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令和4年2月28日第3342号12面 掲載