【ブラック企業と呼ばせない!!ネットの誹謗中傷対策】第8回 改正プロバイダ責任制限法② 手続き1回で特定可 従来法と併用も選択肢に/田村 裕一郎・染谷 裕大
2022.03.03
【労働新聞】
ログの保存が迅速化
現行法では、投稿者を特定するためには、原則として、コンテンツプロバイダに対する開示請求(仮処分)、アクセスプロバイダに対する開示請求(訴訟)という2回の裁判手続きが必要となる。また、場合によっては追加の手続きも必要となる(以下、これらを総称して「従来手続き」という)。改正法はこれらを1つの非訟事件手続き(以下、「新手続き」という)で処理できる新たな仕組みを整備した。今回は新手続きについて解説する。
第1に、新手続きの具体的な流れを説明する。予想される実務上の典型的な流れは図のとおりである。まず、被害会社は裁判所に対し、コンテンツプロバイダを相手方として、①㋐開示命令申立てと㋑提供命令申立てを行う。①㋐開示命令申立ては従来手続きにおける仮処分申立てと同様、コンテンツプロバイダの保有する発信者情報の開示を求めるものであるが、①㋑提供命令申立ては、コンテンツプロバイダに対しアクセスプロバイダの情報(名称や住所など)の提供を求めるものである。
相違点は従来手続きでは、…
筆者:多湖・岩田・田村法律事務所 弁護士 田村 裕一郎・染谷 裕大
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令和4年3月7日第3343号13面 掲載