【トラブル回避型 解雇、退職勧奨の手法】第10回 傷病休職への対応 “治癒”の基準を規定 通常業務が遂行可能か/延増 拓郎
2022.03.17
【労働新聞】
国内出張には配慮必要
休職は、従業員について労務に従事させることが不能、または不適当な事由が生じた場合、使用者がその従業員に対し労働契約関係は維持しながら、労務への従事を免除または禁止する制度である。傷病休職については、通常、業務外の傷病による欠勤が一定期間に及ぶときに行われる。
休職制度の目的は、解雇猶予である。治癒せずに休職期間が満了すれば、就業規則の規定で退職や解雇となるため、何が「治癒」を意味するかが重要となる。
治癒とは、「通常の業務を遂行できる程度の健康状態にまで回復すること」を意味する。治癒の意味が争われないよう、就業規則には「本条の定める治癒とは、民法493条に定める債務の本旨に従った弁済(本旨弁済)ができる状態、すなわち通常の業務を通常の程度に遂行できる健康状態に回復することを意味する」などと定めておくのが適切である。
休職期間の途中で…
筆者:石嵜・山中総合法律事務所 代表弁護士 延増 拓郎
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令和4年3月21日第3345号11面 掲載