【社労士が教える労災認定の境界線】第339回 外科病院の看護師がコロナに感染
2022.03.29
【安全スタッフ】
災害のあらまし
A外科病院に勤務する看護師Xは、外来患者の問診、医師の診察介助、注射や処置、検査の説明・案内などの業務に従事している。同病院は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)患者の受け入れ指定医療機関ではないが、本感染症が大流行しているなか、Xは、日々多数の患者と接することから、自分も感染しないかと不安だった。また、外科手術前検査で来院する患者に、コロナの陽性が判明することは少なくない。しかし、同病院では感染予防体制が整備され、看護師Xも同病院の感染対策マニュアルに従い感染予防を徹底していた。
あるとき、自宅で夜中に咳が止まらず熱を測ると38℃あった。朝になっても熱は下がらなかったため、自宅近くのクリニックを受診。コロナの疑いがあるためPCR検査を受けるよう指示され、検査したところ陽性判定が出た。
判断
Xの職業が、看護の業務に従事する看護師であり、Xのコロナに感染した経路を特定することはできなかったが、業務以外で感染したことが明らかではないと判断され、業務上と認められた。
解説
一般に、細菌、ウイルスなどの病原体の感染を原因として発症した疾患に係る業務上外の判断については、個別の事案ごとに感染経路、業務との関連性などの実情を踏まえ、…
執筆:一般社団法人SRアップ21 大阪会
八瀬社会保険労務士事務所 所長 八瀬 惠
◇SRアップ21:www.srup21.or.jp
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2022年4月1日第2399号 掲載