【トラブル回避型 解雇、退職勧奨の手法】第13回 人員削減目的の場合 希望募ってから勧奨を 面談は少人数、短時間に/延増 拓郎
2022.04.07
【労働新聞】
就業時間中に30分程度
退職勧奨は、労働者の退職の申込みの意思表示を誘引する事実行為である。
事実行為であるから、使用者は自由に実施できる。人員削減目的の場合も整理解雇(指名解雇)の4要素は要求されない(ダイフク〈合意退職〉事件=大阪地判平12・9・8)。
退職勧奨が積極的に退職の動機付けを行うのに対し、希望退職募集は、好条件を提示して消極的に応募を待つ手法のため、量を求める人員削減としては十分ではない。有能な従業員が退職する一方で、退職してほしい従業員が残る問題もある。会社承認規定を設ければ必要人材の流出には対処できるが、退職してほしい人材の残留には対処できず労働の量および質の両面で問題が残る。
そこで、会社承認規程を設けた希望退職募集に加えて退職勧奨を実施する手法が採られる。この手法で、指名解雇同様に量および質の両面で人員削減効果が実現できる。
退職勧奨は、労働組合がある場合は実施が困難なケースが多い。労働者へのインパクトも強いため、退職勧奨に代えて…
筆者:石嵜・山中総合法律事務所 代表弁護士 延増 拓郎
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令和4年4月11日第3348号11面 掲載