【事故防止 人の問題を考える】第128回 ヒューマンエラーの心理的・内的な要因~漫然、疲労~
2022.04.12
【安全スタッフ】
今回は、読者から本誌で取り上げて欲しいとリクエストがあったテーマのうち、「心理的な分析」「漫然行動が起こす労働災害」を紹介します。
問題となる心理的・身体的リスク
ヒューマンエラーによる労働災害の原因には、心理的要因があります。
Sylvestre(アメリカ)は、2008年のヒューマンエラーに関する研究において、「人がミスをする原因は何であろうか? いろいろあるだろう。2万人に聞いたところ、1位は『焦り(rushing)』で80%を占めた。次いで『疲労(fatigue)』『イライラ(frustration)』『漫然(complacency)』が上位を占めた」と述べています。このうち、焦り、イライラ、漫然は心理的リスク、疲労は身体的リスクです。これら行動上の問題となる4つのリスクは、他にも数多くの論文で言及されています。
センチネル・レストラン協会(アメリカ)の会報には、「従業員の行動上の問題は、職場の生産性と安全性に悪影響を与える。この行動上の問題には、漫然、疲労、イライラ、焦り、ストレス(stress)などがある。これらの問題を対処することで、…
執筆:労働安全衛生総合研究所 高木 元也
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2022年4月15日第2400号 掲載