【中小企業も実現できる!ハラスメントのない職場】第4回 社内相談窓口のポイント 些細な事案も対応必要 傾聴が双方の納得感作る/稲尾 和泉
2022.04.21
【労働新聞】
背景に関心持つ姿勢
第3回でも触れたが、今回の法改正で事業主に求められた措置のなかでも、社内相談窓口の体制整備と告知は、とても重要だ。とくに中小企業では異動による対応が難しいため、問題をこじれさせないためにも「初動」に当たる社内相談窓口の役割が重要になる。
社内相談窓口で最も重要なのは「ハラスメントかどうかよく分からない相談にも、真摯に向き合う」姿勢だ。実際、パワハラ指針のなかでも「パワーハラスメントに該当するか否か微妙な場合であっても、広く相談に対応すること」という文言があり、これは具体的なハラスメント行為がはっきりせず、どう解決したいか要望が明確でなくても、しっかりと相談を受けるということを意味する。もちろん、パワハラに限らずセクハラその他のハラスメント問題に関連する悩みや相談も同様だ。
相談担当者の方の困りごとの多くに、「ハラスメントではない相談が多すぎる」というものがある。これには主に2種類あって、その1つは「ハラスメントではないかもしれないが、何となくもやもやする、納得がいかない」というものだ。話を聴いていく過程で、…
筆者:㈱クオレ・シー・キューブ 取締役 稲尾 和泉
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令和4年4月25日第3350号13面 掲載