【ぶれい考】長時間労働是正の視点/野川 忍
2022.04.28
【労働新聞】
長時間労働是正の視点
労働基準法によれば、使用者は労働者を、1日については8時間、1週間については40時間を超えて働かせると、刑罰が科される。このような厳しい規制は世界にも類をみないもので、制度だけみれば日本ほど労働時間を厳しく規制している国はない。それにもかかわらず、日本の長時間労働は過労死や過労自殺を恒常的に生み続けるほど深刻である。
このギャップは、36協定さえ締結すれば青天井に近く労働時間を延長できることなどの制度的欠陥と、労働者が長時間にわたって業務に従事することが事業の基本形態としてビルトインされてしまっている日本企業社会の構造的問題とに要因がある。
抜本的是正をめざして展開された働き方改革では、…
筆者:明治大学専門職大学院 法務研究科 専任教授 野川 忍
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令和4年5月2日第3351号5面 掲載