【中小企業も実現できる!ハラスメントのない職場】第5回 カスタマーハラスメント 従業員守る意思表明を 問われるトップ層の反応/稲尾 和泉
2022.04.28
【労働新聞】
厚労省が手引き策定
さまざまなハラスメント問題のなかで、顧客からの迷惑行為や過剰なクレームは「カスタマーハラスメント(カスハラ)」と呼ばれている。これは行為者が顧客や取引先であるということを指しているもので、実際の行為の多くはパワハラやセクハラである。ここで行為者が利用している優位性は「顧客」というパワーだ。職場内であれば問題になることであっても、顧客であれば職場と関係ないし、あからさまな反論も難しいため、無理難題もごねれば受け入れてくれると、過去の成功体験で分かってやっていることもある。
令和2年の厚労省実態調査によると、過去3年間に顧客や取引先等からハラスメント行為を受けた労働者の割合は企業規模の大小にかかわらず約15~17%となっている。一方、業種間ではかなりの差がみられ、生活関連サービス業、娯楽業が25.1%、電気・ガス・熱供給・水道業が23.3%、不動産業、物品賃貸業が22.6%、卸・小売業が21.9%など、主にBtoCビジネスでエンドユーザーからの悪質なクレーム対応に頭を悩ませている企業が多いことが分かる。
この問題は、厚労省が2017年度に開催したパワハラ対策検討委員会でも…
筆者:㈱クオレ・シー・キューブ 取締役 稲尾 和泉
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令和4年5月2日第3351号13面 掲載