【中小企業も実現できる!ハラスメントのない職場】第9回 パワハラを招く職場環境 役割の「曖昧さ」が原因 裁量が低いと高ストレス/稲尾 和泉
2022.06.02
【労働新聞】
理的要因の改善を
ハラスメントの起きやすさは、「狭さ」「暑さ」「寒さ」「におい」など、まさに「物理的な職場環境」とも関係している。事務所の通路が荷物で塞がれて歩きにくく苛立ったり、隣の人の強すぎる香水の香りで気分が悪くなったり。よく話題になる夏場のエアコン温度設定にまつわるトラブルも、人の五感に与える影響が背景にある。五感に悪影響があればストレスが高まるので、心身の疲弊につながりイライラや怒りが表出しやすくなるのは、ある意味自然なことだといえよう。
ハラスメントについて個人の不快感を軸に判断するのは問題であると、この連載でも何度か取り上げているものの、不快感が全く影響しないというわけではない。ただ、それらを「ハラスメントだ」と表現すると当事者同士が対立構造となってしまい、解決が難しいことがある。荷物で狭くなった通路について、上司から「誰だよ! こんなところに邪魔なものを置くのは! 早く片付けろ!」と怒鳴られたことを、「上司からパワハラを受けました」と訴えても、…
筆者:㈱クオレ・シー・キューブ 取締役 稲尾 和泉
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和4年6月6日第3355号13面 掲載