【特別寄稿】「叱る依存」暴走する恐れ/廣田 靖子
2022.06.10
【安全スタッフ】
テレワークの快適さが浸透する一方で、パワハラが生じやすい側面も浮かび上がっている。臨床心理士で公認心理師の廣田靖子さんは、オンライン環境の場合、身近に相談相手がいないため、叱責が通常以上にダメージを受ける可能性があると指摘。1対1で他者の目がないことから、叱れば叱るほど気分が良くなる「叱る依存」がエスカレートする恐れもあると注意を促している。
上司の心理に何が生じているのか
コロナ禍で発展したものの一つにテレワークがある。テレワークの拡がりとともに人々の働き方は大きく変化し、上司部下の関係にも影響を及ぼしている。
一方で、今年4月から「労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)」が中小企業にも適用され、全ての企業でパワハラへの取組みが義務づけられた。従って、企業は従来の働き方を想定したパワハラ対策のみでなく、テレワーク環境も考慮したパワハラ予防、対策を講じる必要性が高まっている。そこで今回は、テレワークにより上司、部下に生じる心理的な影響や、それにより引き起こされるトラブル、パワハラについてご紹介するとともに、その対応策について以下に示したい。
まず、上司側からよく聞くのが…
執筆:マインドセット・デザインズ 代表 廣田 靖子
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2022年6月15日第2404号 掲載