【定着・成長を促す!メンバーシップ型パート活用法】第4回 社会保険・税制の変化 今後も適用拡大続く 就労調整のメリット減少/平田 未緒
2022.06.09
【労働新聞】
企業の対応分かれる
なぜ企業はパート・アルバイトを雇用するのか?理由のトップ3は「人件費が安い」「簡単な仕事だから」「仕事における繁閑差に対応するため」であり、この傾向は1990年代から変わっていない。
しかしパート雇用に関する調査結果を時系列でみてみると「人件費が安い」を挙げる企業は減少傾向にある。たとえば、4年おきに実施され、この3月に最新の調査結果が発表された「パートタイマーに関する実態調査(東京都産業労働局)」では、図のような変化が見て取れる。理由は明白。本連載の第3回で詳述したように、パートの賃金が上がっているからだ。
「一定のパート」に対しては、社会保険料の事業主負担分を支払う必要がないのも、パート雇用が大きく進んだ一因だ。
「一定のパート」の代表例は、社会保険に加入する夫に扶養されている、年収130万円未満で働く妻である。この場合妻は、夫の厚生年金の「第三号被保険者」となる。すると妻は制度上、自ら保険料を支払うことなく、将来基礎年金が受け取れる。…
筆者:㈱働きかた研究所 代表取締役 平田 未緒
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令和4年6月13日第3356号12面 掲載