【中小企業も実現できる!ハラスメントのない職場】第11回 人的資本経営 投資家も「人材」に注目 育成が持続可能性を作る/稲尾 和泉
2022.06.16
【労働新聞】
ISOが指針を公表
先行き不透明なVUCA時代には、従業員の個の力を生かした経営がますます求められるようになるが、近年では投資家もそれらに注目している。頻繁に耳にするようになった「人的資本経営」と、その指標となる「ISO30414」は、これからの経営を支える中心的な概念となっていくだろう。
人的資本とは、企業価値を評価する有形資産(工場や設備投資)と無形資産(研究開発やアイデア、ブランド価値、サプライチェーンなど)のうち、無形資産の時価総額の状態を示す1つの項目を指す。昨今主流となっているESG投資のなかでも、とくにS(社会)とG(ガバナンス)と関連性が高い項目に関する取組み状況を開示するよう、世界各国で義務付けられるようになった。その指標となっているのが、2018年にISOが公表したISO30414で、情報開示のガイドラインとして、人的資本に関する11領域と58指標をとして定めている(表)。これらのなかには、ハラスメントなどのコンプライアンス問題のリスクの有無も含まれている。
日本でも、経産省が人的資本経営に関する調査や検討会などを実施しており、20年度に公表された「人材版伊藤レポート」には「人材は『管理』の対象ではなく、その価値が伸び縮みする『資本』なのである。企業側が…
筆者:㈱クオレ・シー・キューブ 取締役 稲尾 和泉
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令和4年6月20日第3357号13面 掲載