【ぶれい考】解雇の金銭解決について/野川 忍
2022.06.30
【労働新聞】
高度成長期以降の日本では、長い間、解雇は最後の手段であって軽々に行われるべきものではない、という認識が定着しており、とくに米国などと比較して解雇が極端に厳しい国であると評価されてきた。
近年(といっても20世紀の時代から議論自体はあったが)、解雇の金銭解決に関する検討が徐々に進み、具体的なルールとして法令に規定される現実的可能性も出てきた。しかし、巷の理解は必ずしも浸透していない。
解雇された労働者が裁判所に請求するのは、解雇の無効を前提とする地位確認、解雇期間中の未払い賃金の支払い、不当解雇であれば損害賠償の請求などであるが、仮に労働者側が勝訴しても、…
筆者:明治大学専門職大学院 法務研究科 専任教授 野川 忍
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令和4年7月4日第3359号5面 掲載