【定着・成長を促す!メンバーシップ型パート活用法】第10回 タイプ別の動機付け手法① 個性に合った指導を “任せる”が有効な場面も/平田 未緒
何が意欲高めるのか
メンバーシップ型のパート活用とは、パートにとって職場が自分の居場所になるようなコミュニケーションを大切にするマネジメントだ。「私も職場の大事な一員である」という感覚で、安心して働けることは、定着の土台である。そして定着は、成長の要件だ。
そのうえで、人には個性もある。どのようなコミュニケーションが、当人を動機付けるかには、個々人で違いがある。そこで今回は、スーパー3社における、パート本人への取材事例から、パートのやる気スイッチをタイプ別に紹介したい。詳細は『ダイバーシティ経営と人材マネジメント』(佐藤博樹編著・共著、勁草書房、2020年)にて、筆者が執筆した第8章を参照していただければ幸いだ。
ちなみに取材した3社には、パートリーダーまたは、リーダー一歩手前のパートを、計12人ご推薦いただいた。また、インタビューは、本人が自由に語れるよう、店長など上司がいないところで実施した。リーダー層を取材対象に設定したのは、リーダーとしての活躍は、定着・成長の結果だからだ。
やる気スイッチのタイプは、インタビューで語られた内容を基に、個々のパートが一体何に動機付けられ、意欲を高めてきたのか?という観点で分類した。具体的には「①自律・自発型」「②上司・環境型」「③周囲からの応援型」および、「④自己実現・目覚め型」である。
今回は、これら4つのうち①と②について、パート本人の肉声から紹介する。個々のパートが、いったい「どのようなマネジメントの下で」リーダーになるまで成長し、結果「どのような能力発揮に至ったのか」をみて欲しい。
留意したいのは、いずれのタイプも、語られた内容の根幹は、実は「コミュニケーション」だということだ。
① 自律・自発型
「自ら考えて仕事ができる」ことに…
筆者:㈱働きかた研究所 代表取締役 平田 未緒
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