【時代に沿った就業規則のアップデート】第5回 変形労働時間制の意義・活用 所定時間の特定必須 シフト周知不備で無効に/岩出 誠
2022.07.28
【労働新聞】
残業代の圧縮に効果が
変形労働時間制(以下、「変形制」)とは、一定の要件の下で労働時間を弾力的に運用できる制度である。代表的な1カ月単位の変形制(労働基準法32条の2)を例に取ると、「使用者が、就業規則その他これに準ずるものにより、1カ月以内の一定の期間(変形期間)を平均し、1週間当たりの労働時間が週の法定労働時間(40時間)を超えない定めをした場合においては、法定労働時間の規定にかかわらず、その定めにより、法定労働時間を超えて労働させることができる」制度である(大星ビル管理事件・最一小判平14・2・28。以下、「大星ビル管理最判」)。
たとえば、変形期間を1カ月31日間とし、ある週の所定労働時間を週50時間に設定したとする。この場合、その週の労働時間が40時間を超えていたとしても、その他の週の労働時間を短くすることにより、…
筆者:ロア・ユナイテッド法律事務所 代表パートナー弁護士 明治学院大学 客員教授
岩出 誠
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令和4年8月1日第3363号6面 掲載