【歴史と事例から学ぶ!賃金制度設計】第2回 日本企業の昇給ルール 労働市場の影響小さい 組織ルールに基づき決定/西村 純
2022.08.04
【労働新聞】
定昇が賃金カーブ作る
賃金制度の見直しが行われれば、昇給のルールが変わる。つまり賃金制度の見直しとは、既存の制度の下で確立されている昇給のルールを新たなルールに変更することを意味する。そこで、連載の第2回目は日本における代表的な昇給の仕組みについておさらいしておきたい。
賃金はどのようにして決まるのであろうか。たとえば、読者のなかに「昨年と比べて有効求人倍率がX%上昇したので、来年の君の賃金をY円にすることにした」というような説明を上司から受けたことがある人はいるだろうか。おそらくいないだろう。組織で働く労働者を想定すると、賃金を決めるうえで重要な要素は、
① 社員格付け制度(社員等級)
② 賃金表
③ 評価制度
の3つである。この3つの要素に基づいて賃金を決めることは、日本のみならず、欧米も共通していることである。ただし、…
筆者:労働政策研究・研修機構 副主任研究員 西村 純
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令和4年8月8日第3364号11面 掲載