【元労働基準局長が解説!フリーランスと労働者性】第10回 プラットフォームワーカー 諸外国でも問題に EUは保護図る指令案/中野 雅之
2022.09.08
【労働新聞】
前回は、フリーランスへの独占禁止法等の適用などについて概観した。今回は、プラットフォームワーカーの労働者性についてみていくこととする。
欧米の最高裁で認容判決相次ぐ
仕事と人材を結び付けるプラットフォームにはさまざまなものがあるが、
① プラットフォームワーカーがオンライン上で仕事を成し遂げる非対面型(クラウドソーシング、ILOはonline web-basedと呼称)と、
② 特定の場所でプラットフォームワーカーが仕事を実行する対面型(ILOはlocation-basedと呼称)
に分けて論じられることが多い。①の非対面型は、ソフト開発、データ処理、デザイン、翻訳、マイクロタスクなどの仕事に関するプラットフォームである。②の対面型は、タクシー、配送サービスなどの仕事に関するプラットフォームである。
いずれの類型においても、プラットフォームワーカーについて、契約上の形式にかかわらず実態判断によって労働関係法令上の労働者性が認められる場合があり得ることは、これまでフリーランス一般の問題として説明してきたとおりである。
プラットフォームワーカーの労働者性は、諸外国でも…
筆者:岩田合同法律事務所 弁護士 中野 雅之
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令和4年9月12日第3368号13面 掲載