【激変する外国人雇用―新・技能実習制度から高度人材まで】第10回 技能実習生の裁判例 監理団体に賠償責任 名義貸しや賃金控除も/早川 智津子
2017.03.20
【労働新聞】
以前は慰謝料だけ認定した裁判例も
前回は、1989年体制のもとで拡大発展してきた外国人研修・技能実習制度をみてきた。今回は、同制度について、どのような問題がこれまで起こってきたのかを裁判例をもとにみていきたい。
現行の制度に改正された2010年7月以前は、技能実習の前に労働法令が適用にならない研修の段階が置かれていた。このため、かつては、こうした研修の段階、とくに実務研修中の研修生について、その労働者性の有無が問題となる事件が頻発した。入管法上の制度として労働法令の適用を予定していなくとも、労働法令は、使用者の指揮命令下に置かれ労務を提供するという実態に着目して適用の有無を決定するためである。それでも、…
筆者:佐賀大学経済学部 教授 早川 智津子
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平成29年3月20日第3105号6面 掲載