【激変する外国人雇用―新・技能実習制度から高度人材まで】第17回 国籍差別をめぐる問題 計画認定拒否で対応 技能実習生の賃金格差に/早川 智津子
2017.05.15
【労働新聞】
業務内容考慮して認めない判例多数
今回は、外国人労働政策において労働法が採る統合の手法のうち、積極的平等規制である労働基準法3条を検討する。
同条は、国籍を理由とした労働条件差別を禁止し、外国人労働者を差別から守っている。昭和22年に制定された労働基準法は、その立法に当たり、戦時中の朝鮮半島や台湾、中国大陸出身の労働者に対する差別取扱いを反省し、同条にとくに国籍差別の禁止を規定したとされている(寺本廣作『改正労働基準法の解説』〈1952年、時事通信社〉220頁参照)。
しかしながら、同条は以下の2つの問題を抱えている。…
筆者:佐賀大学経済学部 教授 早川 智津子
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平成29年5月15日第3112号6面 掲載