【裁判例が語る安全衛生最新事情】第402回 精肉裁断機事件 危険認識し非熟練者に作業させ責任 横浜地裁令和3年3月26日判決
2022.10.12
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
原告Xは、A人材派遣会社に雇用されてY社横浜工場に派遣されて食肉を裁断・加工していた。被告Y社は中華食品の製造販売業者である。本社工場の安全管理者はCであった。
Xは、Y社の従業員であるBと2人1組になり、本件裁断機による食肉の切断加工をすることになったが、Bが載置作業を担当し、Xは回収作業を担当することになった。事故状況であるが、本件裁断機内部で切断された食肉が排出口から順調に排出されなくなり、点検口カバーが外れ、排出口から排出されなかった食肉が点検口から外へ押し出されるという事態が発生した。Xはとっさに、本件裁断機内部から押し出された食肉を左手で押さえたところ、作動中であった回転刃に左手が触れ、左手環指および左中指切断の傷害を負った。横浜北労働基準監督署長は、同傷害につき障害等級10級の6との後遺障害等級を認定した。Xは、Y社に対して安全配慮義務違反による損害賠償請求をした。
Ⅱ 判決の要旨
1、本件裁断機の構造と事故の発生
Xは回収作業に着手し、…
執筆:弁護士 外井 浩志
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
2022年10月15日第2412号 掲載