【開始(2018/4/1)直前 無期転換への羅針盤~重要性増す均衡処遇を視野に~】第16回 均衡処遇② 基礎知識/倉重 公太朗
2017.05.01
【労働新聞】
正規・非正規間の賃金格差はわが国で古くから議論されてきたテーマだが、契約自由の原則から、それ自体不合理でなく違法ではないとされてきた司法判断が変わるかもしれない。昨年末の「ガイドライン案」以降、一部手当を同一とするなど現場の敏感な反応がみられるが、今後の最高裁判断によってはさらなる対応が求められる可能性もある。
古くて新しい問題 関連通達には疑義あり
◆一定幅を許容する“均衡”
1 現行法の条文整理
均衡処遇や同一労働同一賃金の議論の前提として、現在の法律や従前の議論に触れておきたい。まず、本稿執筆時点の現行法における均衡処遇の条文は、労契法20条を筆頭に、パート労働法8条・9条が挙げられる(派遣法にも均衡待遇推進のための規定があるが派遣先・派遣元の3者関係となる特殊形態であるため、本稿では割愛する)。
まず、労契法20条は、…
筆者:安西法律事務所 弁護士 倉重 公太朗
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平成29年5月1日第3111号11面 掲載