【開始(2018/4/1)直前 無期転換への羅針盤~重要性増す均衡処遇を視野に~】第19回 最新判例③/倉重 公太朗
2017.05.29
【労働新聞】
政府を挙げた働き方改革実行計画に盛り込まれた「同一労働同一賃金」だが、日本の賃金インフラが職務給でないこともあり、人材活用の仕組みなどが異なれば、違いに応じた処遇差は認める方向にある。今回取り上げる事例のように、目先の(部分的)同一性を理由に訴え出る者が今後増えそうだが、現場の多様性を見失うと却って混乱を来しかねない。
高年法も賃金減予定 ガイドライン案影響か
◆現役時の8割違法に非ず
4 オートシステム事件(東京地判平28・8・25)
本件は、他社を定年退職した後に移り変わった会社で嘱託契約を締結した60歳超の社員が、正社員と比較して待遇が低いことを不満だと主張した事案である。定年後再雇用の事案ではないが、被告は、企業等が保有する自家用自動車(役員車等)の運行管理に関する業務全般を受託している会社である。正社員との待遇差は、概ね2割前後であった。…
筆者:安西法律事務所 弁護士 倉重 公太朗
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平成29年5月29日第3114号11面 掲載