【実務に活きる社労士試験問題】第17回 労働基準法 転勤命令 生活との調和に配慮を/澤井 清治

2022.11.03 【労働新聞】
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 本コーナーは、人事労務担当者や受験予定者向けに過去の試験問題を紹介、解説するものです。

【問】
 次の文中の空欄Aを選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 最高裁判所は(中略)転勤命令が権利の濫用に当たるということができるか否かが問題となった事件において、次のように判示した。
 「使用者は業務上の必要に応じ、その裁量により労働者の勤務場所を決定することができるものというべきであるが、転勤、特に転居を伴う転勤は、一般に、労働者の生活関係に少なからぬ影響を与えずにはおかないから、使用者の転勤命令権は無制約に行使することができるものではなく、これを濫用することの許されないことはいうまでもないところ、当該転勤命令につき業務上の必要性が存しない場合又は業務上の必要性が存する場合であっても、当該転勤命令が A なされたものであるとき若しくは労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき等、特段の事情の存する場合でない限りは、当該転勤命令は権利の濫用になるものではないというべきである。」

[選択肢] 
① 行うべき転居先の環境の整備をすることなく
② 労働者に対する事前の説明を経ることなく
③ 他の不当な動機・目的をもって
④ 現在の業務に就いてから十分な期間をおくことなく

筆者:LEC専任講師 社会保険労務士 澤井 清治

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令和4年11月7日第3375号10面 掲載
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