【経営・人事担当向け 中小の企業統治論】第7回 規模問わないガバナンス 当事者意識を醸成 従業員持株制など活用し/長嶋 由紀子

2017.02.27 【労働新聞】
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 中小企業においては資本と経営の分離が曖昧であり、オールマイティーな創業オーナー社長が君臨・統治しているケースが多く、形而的に整った企業統治は機能しない。その際のコントロールは経営者の「徳」に委ねるしかないともいわれる。確かに「徳」は大切であるが、1日の下で積めるものでもなく、属人性ゆえに最大利点が最大リスクにもなるであろう。では、改めて企業統治の様式ではなく「長期的な企業価値増大に向けた経営の仕組み」という目的に着目すれば、企業規模の大小を問うことはない。

 今回は、十数年に及ぶ筆者の事業経営の経験を踏まえ、現在、監査役を務めるリクルートHD(以降リ社)の歴史を遡ることを織り交ぜながら、中小企業が成長していく過程で大切にしてきたことを、企業統治の観点で考察したい。そこに普遍のエッセンスがあれば、規模の大小を問わずヒントにしていただけるのではないか、と考えている。…

筆者:㈱リクルートホールディングス 常勤監査役 長嶋 由紀子

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平成29年2月27日第3102号13面 掲載
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