【対応力を鍛える人事学探究】第11回 「リワーク」を経た復職 判断材料への活用を 出席率などが裁判に影響/髙木 美咲穂
2022.11.17
【労働新聞】
実施状況受け回復と認めず
昨今、休職後の復職に当たって、リワークを利用する企業が増えている。リワークとは、職場以外の外部機関で実施する職場復帰に向けたリハビリテーションプログラムで、地域障害者職業センターが行う「職場復帰支援事業」や、民間の医療機関が有料で提供する復職支援プログラムなどがある。リワークの状況を踏まえた復職の判断に関する事例として、東京電力パワーグリッド事件(東京地判平29・11・30)を紹介する。
本件では、メンタルクリニックに通院していた労働者が休職し、クリニックでのリワークプログラムを受けてから復職を求めた。会社は、リワークの実施状況などから復職不可と判断した。結果、休職期間満了により退職となったため、労働者は休職満了時に復職が可能な状態だったとして、雇用契約の終了について争った。
前提として、復職に当たっての判断基準を説明すると、判例上、復職するためには傷病が治癒していることが必要となる。治癒とは、…
筆者:第一芙蓉法律事務所 弁護士 髙木 美咲穂
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令和4年11月21日第3377号12面 掲載